ヤマメは、県内全域の中流〜渓流域の冷水系に生息する。養殖は最上地域、置賜地域で盛ん。食用はもちろん、釣堀りなどに放流される魚としても人気がある。
　ヤマメは、美しい流線型の形と小判状の斑紋（パーマーク）が特徴的な魚で、行動も活発的であることから、渓流釣りの対象として好まれている。警戒心が強く、釣るのは一筋縄とは行かないが、掛かった時の引きの強さ、釣り上げた姿の美しさから「渓流の女王」とも呼ばれ、釣り人たちを魅了する。
　藤の花が咲く晩春から桐の花が咲く初夏に釣りシーズンは最盛期を迎え美味しさも旬を迎える。「5月ヤマメでアユかなわん」と言われるほど旬のものは美味である。
　淡白で上品な味わいのヤマメは、食材本来の美味しさが味わえる塩焼きや、酒の肴として人気のある甘露煮など、春の山菜料理などとともに県内各地の旅館や民宿で味わうことができる。