マダラ(寒鱈)|タラ科|旬:12月〜2月
身体の芯まで温まるどんがら汁
庄内一の冬の味覚
冬の庄内で、誰もが心待ちにする海の幸と言えば…それは寒鱈だ。寒の時期(1月上旬〜2月上旬頃)に獲れるマダラを寒鱈と呼び、産卵のため水深200m前後の通称「タラ場」に集まるところを底びき網で漁獲する。頭から尻尾、内蔵まで捨てるところがなく、丸ごと鍋にして味わえるどんがら汁(寒鱈汁)にするのが大きな楽しみ。
味噌仕立ての鍋に酒粕を加え、アラからでる出汁と身の中で一番脂肪分の集まる脂ワタを味噌の汁に溶いて混ぜたり、一口大に切って煮込むなどして、味に深みとコクを持たせるのが秘訣。具は豆腐やねぎ、そして岩のりを添えるのが庄内風だ。舌がやけどするほど熱い汁を胃袋の中まで落とし込むと、芯までポカポカ幸せ気分。大人も子供も額に汗して舌つづみ。厳しい冬にも思わず感謝したくなる郷土料理である。
寒鱈を選ぶときは大きいものが良く、ふっくらと全体に張りがあり、色が濃くて模様がはっきりしているものが良い。また、新鮮なダダミ(白子)はトロリとして刺身で食べても旨く、この時期は寿司ネタとしても食べられる。
毎年1月から2月にかけて庄内各地で開催される「寒鱈まつり」では、どんがら汁などを食べることができ、多くの観光客で賑わっている。
他にも、新鮮なものは刺身や昆布じめに、その他味噌漬け、粕漬け、鍋物、フライ、ムニエルなど、白子は天ぷら、メスからとれる鱈子は醤油漬けなどにして食される。