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山形のうまいもの

りんご|収穫時期:9月〜12月

山形発の品種も加わり
美味多彩な「りんご」

りんご

日本一の蜜入り「ふじ」を
作り上げた朝日町

 果肉の中にアメ色の蜜がたっぷりと入った、山形産「ふじ」のおいしさは全国でも評判。その誕生までを紹介しよう。
 かつてふじの栽培は、果実を袋でおおうのが当たり前だった。しかし、一個一個袋をかけるのは手法として安心だが、手間がかかり過ぎる。そこで1970年、山形県朝日町では、全国に先がけ「無袋ふじ」に取組んだ。「袋が外れて育ったりんごを見ていて、無袋栽培もいけそうだと思った」と当初から関わった生産者。「木の形がうまさを表す」ことに着眼し、「新しい枝は6月まで30cm伸ばし、その後は実に栄養を回す」、「摘果は3回繰り返して吟味」ほか、技術的な面でも地道な研究を進め、着々と実行に移した。こうしてできた無袋ふじは、糖度が2度ほど上がって酸味も増し、これまでにないうまさのものになったのだ。
 東京で試食販売をするなどして売り込んだ結果、なんと2年目からは有袋のりんごよりも値が高くついてしまったとのこと。「味にかけては日本一、東京の市場関係者の評価も一致しています」という。
 「太陽に透かすようにして、りんごのお尻を見る。うっすらとアメ色に見えるのが摘みごろ。ここまで待って出荷します」と生産者。試しに一個を割ってみると蜜が大量に入り、ほおばれば甘さも香りも極上だ。
 「蜜」が入るしくみは──。植物は葉で光合成を行い、ブドウ糖などを作って養分とする。りんごの場合は、ブドウ糖が酵素の働きでソルビトール(糖アルコールの一種)に変換され実に送られる。熟していく段階でこれが促進され、大量のソルビトールが細胞のすき間にあふれだす。これが蜜で、完熟度に比例するものだ。
 どの産地でも完熟すれば蜜入りはできる。しかし出荷時期と気候条件とのかね合いで、蜜が入る前に収穫せざるをえないケースが多い。山形県は、りんご本来のおいしさが生ずる完熟期と収穫期がみごとに合致し、出荷できるという恵まれた土地柄なのだ。

山形オリジナル品種
人気の「秋陽」

 山形オリジナル品種の「秋陽」(2006年デビュー)は、収穫期が9月下旬〜10月上旬の中生種。甘酸っぱく濃厚な味わいで、パリパリとした食感はふじにも通じる。色づきが良く、人気品種に定着した。
 今、山形県のりんご生産量は全国第3位。主力品種の「ふじ」をメインに、「秋陽」、「シナノスイート」、「王林」、「つがる」などなど。早生種から晩生種まで、おいしさのオンパレードだ。
 ところで、蜜入りりんごはそのままおくと、蜜が散ってしまう。「旬」の食べ頃サインを逃がさずに召し上がれ。

ふじ

完熟を待って出荷できるため、たっぷりの「蜜」が味わえる。甘いだけでなく酸味とのバランスも良くまさに美味!「ふじ」

秋陽

中生品種には珍しく、色付きと味の濃さがある。甘さも酸味もたっぷりで、市場からの注目度が高い「秋陽」

DATA

主な産地

東根市・天童市・朝日町・山形市・大江町・中山町・寒河江市・南陽市・山辺町・米沢市・ほか

主な品種と収穫時期

主な品種と収穫時期

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