たらの芽|収穫時期:11月〜5月
ほのかな苦味や香りが身上
「たらの芽」
早春の美味を一足早く
「ふかし栽培」で
たらの芽は、たらの木の新芽をいい、ほのかな苦味や香りは、春の訪れを伝える食材として人気が高く、山菜の王様とも呼ばれる。山形県では早くから促成の「ふかし栽培」を取り入れ、たらの芽の生産量は全国第一位となっている。
「秋に葉の落ちたたらの木を切り出し、乾燥しないように休ませます。その後、収穫時期を逆算してハウスに入れ温度を加えます」と生産者。
ハウス内には、ビニールのトンネルが作られ、中には水を入れた床に、長さ10cmほどに切られたたらの木の駒木が立ち並んでいる。トンネル内部を15〜20度(夜間の最低10度)に保つことが重要となる。温度管理を徹底し、生育に必要な水分と湿度でじっくり「ふかす」ことで、重量感のある良い芽ができるという。
木の養分だけで芽吹く
自然の妙味
この状態で一ヶ月ほど置くと、駒木から新緑のたらの芽が出て収穫できる。木が貯えた養分だけで、肥料は一切与えず、自然の生命力がなせる技だ。
長さ2mほどの一本の穂木からは、15〜20個のたらの芽が採れ、重さにすると150g前後。早春を感じさせる味の先取りには、多くの労力がかかっている。
栽培用には、芽が大きく緑色が鮮やかなものが適している。たらの芽を選ぶときは、ずんぐりと太い形のもの、切り口の変色の少ないものがいいとのこと。
* DATA *
主な産地
新庄市・真室川町・最上町・大蔵村・村山市・尾花沢市・鶴岡市・金山町・戸沢村・鮭川村・大江町・朝日町・白鷹町・川西町・ほか