タケノコ|収穫時期:5月〜7月
西村山の「ねまがりたけ」と
庄内の「孟宗竹」
万年雪と腐葉土が育む
初夏の絶品「月山筍」
「ねまがりたけ」は、高地の湿った場所を好み、冬場は雪に埋もれないと枯れるといい、山形の風土がぴったり合う。
特に、月山山系の深雪や腐葉土が多い地域は好条件。一帯で採れるものは「月山筍」と呼んで珍重されており、他所のものより身が白くて柔らかく、梅雨期の雨が一段と味を深めるという。
また西村山郡の山村では、伐採跡地や荒畑を利用し、標高の低い土地で育つ系統を栽培している。剪定や施肥など手間はかかるが、良質のものを産出している。地元では、栽培物を「ねまがりたけ」、山採りを「月山筍」と区別している。
5月下旬〜7月中旬、これらが店先に並ぶと、地域の人々は競って買い求め、初夏の味を楽しむそうだ。
温泉地で味わう
「湯田川孟宗」
庄内地域では、いわゆるタケノコのことを「孟宗」と呼び、春の訪れとともに旬の到来を待ちわびる。特に鶴岡市郊外の湯田川地区は、群生孟宗竹林の北限地とされ、粘土質の土壌や豊かな雪解け水が、白く柔らかい良質な孟宗を育て上げるという。5月初旬〜6月初旬、湯田川温泉はこの「湯田川孟宗」を味わい尽くす「孟宗まつり」で賑わう。
鶴岡市では、このほかにも「黄金孟宗」や「谷定孟宗」なども評判が高い。この孟宗を使った「孟宗汁」は、酒田まつりや鶴岡天神祭のごちそうとしても欠かせない、庄内の郷土料理だ。
* DATA *
主な産地
鶴岡市・遊佐町・西川町・ほか