きく|収穫時期:5月〜12月
電照で絶妙な美しさを
創り上げる「きく」
需要期に
収穫をあわせる技術
栽培ぎくは奈良時代に中国から薬用として伝わり、平安時代に貴族によって観賞の対象になった。栽培の歴史も長く、多様な品種が生まれてきた。山形県では村山地域と庄内地域を中心に輪ぎく、小ぎく、スプレイぎくが栽培されている。
輪ぎくと小ぎくはやはり仏花用がメインだ。「出荷はお盆の頃がピークで、次はあえてずらし、秋彼岸に出します」と生産者。きくはもともと秋の花で、日が短くなると花芽をつける。この性質を利用し、短日処理で昼間を短くすることで開花を早めたり、逆に電照を使って昼間を長くすることで開花を遅らせたりし、出荷時期を調整するのだ。
定植からおよそ4カ月後が収穫期となるので逆算して植える。その後摘心、支柱立て、摘芽・摘蕾、かん水など、細やかな作業が続く。「土づくりがまた大変ですが、仲間たちと研鑽を積みながら、最高クラスを目指しています」とのこと。こうした努力が実り、山形県産は市場で高い評価を獲得している。
華やかな「スプレイぎく」も
多彩に生産
一本の茎に多くの花をつけるスプレイぎくも、近年は人気が定着した。色も豊富で華やかなことから、輪ぎくや小ぎくとは別の需要があり、県内産地では色づきの良い多彩な品種を生産している。
* DATA *
主な産地
山形市・寒河江市・鶴岡市・酒田市
収穫時期
輪ぎく:7月〜11月
小ぎく:8月〜10月
スプレイぎく:5月〜12月
花言葉
清浄・明るい・高尚・高潔