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山形のうまいもの

紅花|収穫時期:7月上旬〜7月下旬

江戸時代の最高ブランド
山形の「紅花」

紅花

享保年間には
全国総量の4割を生産

 かつて女性の唇を染め、衣装を彩る紅のもととなった紅花。山形県では15世紀半ばから栽培が始まった。江戸時代に質・量とも日本一の産地に成長し、享保年間には全国総量の約4割を占めるに至る。最上川沿いの肥えた土地が主産地だが、朝霧の立ちやすい気候が、トゲのある紅花を摘みやすくしたという。
 「眉掃を俤にして紅粉の花」の句は、芭蕉が「おくの細道」の旅で詠んだもの。山形の紅花の繁栄ぶりがうかがえる。紅花交易は、上方との文化交流にも大きな役割を果たし、現在も県内各地に紅花に関する史跡や資料館があり、当時の記録をとどめている。

近年見直される
自然染料の優雅な美しさ

 明治に入ると化学染料が台頭し、紅花生産は急激に衰退。しかし戦後、山形県を代表する花として再び紅花が注目され1982年、山形県の県花に選定された。近年は自然染料としても見直され、伝統製法で作られた紅もちや、観賞用切り花も出回っている。
 紅花の種子からとる「紅花油」(サフラワー油)は、リノール酸を多く含む。また乾燥させた花びら(乱花)は、漢方薬として用いられている。
 紅花染めは、気の遠くなるような作業工程を経て完成する。しかしその色合いは深く優雅で、しっとりと美しい。

DATA

主な産地

山形市・河北町・白鷹町・ほか

収穫時期

7月上旬〜7月下旬

花言葉

包容力・熱狂・夢中

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