あけび|収穫時期:8月〜10月
郷土独自の食文化を
発信する「あけび」
全国生産量の約9割を
本県産が占める
春は新芽を、秋は果実や皮を食用にし、つるは細工物などに利用されるあけび。
あけび栽培が山形県内で盛んになったのは30年ほど前。天童市の団体が、山から採取した良質のものを関東方面に出荷し、高く評価されたことがきっかけだ。以降、村山地域や置賜地域が主産地となり、近年は全国生産量の約9割を山形県産が占めている。
つる性のあけびは、ぶどうのように平棚仕立てや垣根仕立てで作る。実は、緑色の地色が抜け始めると急に膨らみながら色づき、色は紫紺、薄紫、ピンクなど種類や系統によって多彩。一般に3葉のミツバアケビ系は果実が大きく、着色も良いという。
「熟し、割れる前」
絶妙のタイミングで収穫
収穫期は8月下旬から10月中旬。「実は熟すとパクッと縦に割れてしまうことから、収穫のタイミングが難しい」と生産者。熟し、かつ割れる前のタイミングを逃さないため、最盛期には朝夕2回の収穫もあるという。
皮を使う料理の一例は…。@あけびは中身を除き洗って水気を取る。Aかんぴょうを水で戻す。Bキノコを裂いて油で炒め、味噌、砂糖、みりんで味をつける。C@に小麦粉をふってBを詰め、かんぴょうで結ぶ。D油を熱したフライパンにCを入れて蓋をし、返しながら焼き上げる。山形独特の皮を使う料理は、そのほろ苦さが秋の味覚として喜ばれている。
* DATA *
主な産地
白鷹町・朝日町・天童市・ほか