山形んまいもの探しの旅
ペロリンが行く!
【Vol.3】心をも明るく染める紅の彩りに会いたくて…。
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 次に「液を鍋に移し、35℃に温めます。適温になった液は大きなタライに移し、そこに溶かしたクエン酸40gを注ぎます。」クエン酸液が注がれると…シュワワワー、わあ〜っ!タライがまるでジェットバスのように細かい泡でいっぱいになったよ!この泡が染め頃の合図なんだって。水に浸けておいた布を軽く絞って、染め液の中に入れ、布を動かして紅を付着させていきます。すると、あっという間に白かった布が目にも鮮やかな紅色へと変貌を遂げました。まさにマジック!花の状態、紅餅の発酵具合い、染め液の作り方、どんな布をどのタイミングで染めるか、いろいろな条件が重なって、同じものはない、世界にたったひとつの紅花染めが出来上がります。「だからこそ、どんなふうに染め上がるか面白くて、みんな虜になってしまうんでしょうね。」

これぞ大魔術
▲ジャ〜ン!! これぞ世紀の大魔術!!! 鮮やかな紅色に大変身!(写真クリックで別写真頁へ

 最初に入れた布が染め上がり、第2段、それが終わると続いて第3段目の布が入っていきます。そうしていくうちに、赤かった液の色はだんだんと黄色っぽくなってきました。「紅が少なくなってきたからです。そうなった液には木綿の布を入れます。この状態で絹を入れても染まらないのですが、木綿だと黄色を吸収せずきれいなピンク色に染まります。」染め上がった布はクエン酸を1割程入れた水に10分間浸し、色止めをし、最後に水洗いをして、布を当てて軽くアイロンをかけ完成!

完成
▲藍と紅花の重ね染め。ふたつが重なり合って、趣のある色合いだね。

 時代の波にのまれ、一時は衰退した紅花、そして失われかけていた紅花染め。けれど、ちゃんとここに息づいていました!どこまでも深く優しく包み込む夕日のような色の紅花染めを広げた明るい笑顔の皆さんに、紅花染めの心は宿っていました。

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おいしい山形
推進機構事務局